2016.07.04
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バングラデシュ既製服マーケット


業界の概要
 ここでは、主にバングラデシュにおける既製服製造産業一般について概観する。同国の既製服生産産業(一般に英語ではReady-made Garment Industries略してRMGと称する)は、同国最大の産業である。約200万人の直接雇用(その多くは女性労働者である)を有し、現在も成長を続けている主要産業である。間接的には、およそ1,000万人の人々が当該産業に関わっていることになる。ざっとここ20数年でRMG内の業者数は、180社から4,500社まで目覚しい増加を示した。同国の輸出に占めるRMGの比率は、金額ベースで実に78%に達している(BGMEA 2013)。従って、バングラデシュに於いて、RMGの政治的、社会的、並びに経済的影響力は、非常に大きなものがある。
現状
 周知のように、「世界の既製服生産工場」は、いまだ中国本土である。圧倒的な生産力と設備を有し、世界各国にMade in Chinaの既製服を輸出し続けている。しかしながら、政治的不安定さに伴う今後の工場運営に対する不安感、あるいは高騰する人件費等の理由から、日本のみならず主要各国ともいわゆるチャイナ・プラスワン(China plus one) 政策を取り始めており、プラスワンの最有力国がバングラデシュである。既にかなり以前から米国、欧州主要各国とも同国には注目しており、大量の既製服を同国内の自社あるいは委託工場から輸入しており、実はユニクロをはじめとした日本企業によるバングラデシュ製品の輸入開始は、かなり後発の部類に入る。

 
 
 他の新興国に比較し、なぜ特に既製服生産に関して、バングラデシュがプラスワンに選ばれるのかについては、いくつかの理由がある。

1.中国などと比べても圧倒的に安い人件費。
2.布地生産、既製服生産の歴史があり、比較的手先が器用な労働者が多いという国民性。
3.一般的に従順かつまじめな労働者(特に女性)の質の良さと数の確保の容易さ。
4.政府がEPZ(輸出特区)等を設けており、海外からの投資を歓迎している。
5.(一般的に余り知られていないが)外資の独資による法人設立が可能であり、EPZ外であれば工場用の土地の所有も認められていること(EPZ内は通常格安の長期賃貸契約)。
6.(旧英国領であったこともあり)高等教育を受けた人であれば英語が堪能であり、英語によるコミュニケーションが比較的に容易。

 上述のように、他の新興国に比較して外国人による直接投資を歓迎する政策をとっており、人件費もここ数年やや上がってきてはいるものの、まだミャンマーやカンボジア同様に工場のワーカークラスの賃金は、世界最低の部類である。ただここで注意しなくてはいけないのでは、英語を理解するマネジャークラスの給与水準は、それほど安くはない(レベルにもよるがワーカーの10倍から20倍になる場合もある)ことである。

既製服産業の平均的な時給

日本企業の評判
 一般的にバングラデシュ人は、親日感情があり、日本企業・日本人に対しては好意的であることが多いが、こと既製服関連産業、特に委託工場の経営者・マネジャー達の間では、日本人の評判は余り良くない。と言うのも、現在の産業構造が安価な既製服の大量生産にほぼ特化してやって来たため、日本の取引先のように、(欧米企業と比較して)発注数自体が少ないにも拘らず、逆にサイズやアイテムの数は多く、さらに品質については(彼らの感覚からすると)異常に神経質である。当然、納期にも厳しく、値段も注文が渋い割に叩いてくる。ことビジネスに関しては、日本企業の評判ははっきり言えば芳しくない。ただ、一部の他の外資系企業と異なり、支払い自体が悪いとか、ある日突然従業員を残したまま、工場をたたんで逃げてしまうと言うことはない。
 従って、単に中国と比較して安価な労働力としてバングラデシュ人労働者を使うと言うのではなく、今後はやや高めの(付加価値のやや高い)製品の委託生産を計画し実行する必要があるかも知れない。そのためには、さらに工場への要求水準は上げなければならないが、幸いバングラデシュ人の一般的な特性として、向上心に富んでおり、教え込まれたことはきちんと守り実行することが挙げられる。何故このような要求をするのかを説明し、納得させる。その上で、一段上の技術の習得等に時間と費用をかけてやれば、マネジャークラスやワーカークラスもついてくると予測される。ただ、それに見合う対価を期待されるのも、当然である。しかしながら、一方で現地従業員による日本的な自主的「カイゼン提案」が次々と出てくるような状況を期待してはいけない。
問題点
 ニューヨーク・タイムズは、2012年にバングラデシュのRMGの問題点を指摘したが、現在も基本的には状況は大きく変わったとは言えない。具体的には、下記の通り。
1.低賃金。企業オーナーがワーカーに対して十分な給与と労働環境を与えていない。
2.頻繁な停電による生産性の停滞さらには低下。
3.原材料の価格高騰。バングラデシュでは綿花の生産はほぼゼロであるため、全量輸入。
4.熟練労働者の不足並びに教育機会の不足が、高付加価値製品生産の足枷となっている。
5.企業オーナーの資金不足のため、大規模な生産設備投資ができない。生産性の停滞。
6.総選挙前の不安定な政治状況により、Hartal(ホルタルいわゆるゼネスト)が起こり、生産が滞ること。
まとめ
 既製服生産産業に限らず、布地生産も含めバングラデシュはこれらの世界の生産基地として、今後も競争力を維持していかなくてはならない。そのためには、綿花を主とした原材料の安定的な価格での量の確保が必要最低条件であろう。今後は、安価な労働力だけを主目的とした委託生産だけでなく、生産側、委託側とも高付加価値製品へのシフトを視野に入れて行くべきだと思われる。
 そのためには、生産側は労働条件環境の改善等による生産性の向上が必要であり、非熟練労働から半熟練労働への意図的な転換が期待される。また委託側も単に購入価格を買い叩くより、工場運営ノウハウを含めた経営者、中間管理職、ワーカー各レベルでの教育機会を増やし、高付加価値製品の多品種、少量生産への対応を図るべきフェーズに入ってきたものと思われる。
 逆に言うと、単に「労働賃金が安いから中国からバングラデシュに工場を移す」と言う理由からの、バングラデシュへの生産工場移転だけでは、もはや成功の確率はそれほど高くない。それだけでは既に最早手遅れであり、他社との差別化が困難な状況になりつつある。しかし、やり方次第では、まだまだ生産余力だけでなく、ワーカーの労働生産性・品質向上のキャパシティがかなりあると思われ、バングラデシュにおける生地生産、既製服生産工場移転の魅力は、衰えていないと考えられる。
 
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