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バングラデシュ皮革製品マーケット


業界の概要
ここでは、主にバングラデシュにおける皮革製品製造産業一般について概観する。同国の既製服製造業を中心としたいわゆるアパレル産業・繊維製品の輸出は、量的には中国に続くスケールであり、ファーストリテーリング(ユニクロ)を筆頭に日本企業の進出もあって、既に日本国内でもその存在は有名である。しかし皮革の鞣(なめ)し産業、さらに靴・ハンドバッグに代表される皮革製品の製造輸出も、日本での知名度こそ未だ比較的低いものの、世界的な競争力を有する同国にとっては重要な戦略的産業である(輸出産業としては第5位)。現在、ダッカ市内を中心に113社の革なめし業者が存在し、製靴業に限れば、国内約2,500社の業者がある。大部分は零細企業であるが、その中の約30社が近代的な設備を有し、質量共に輸出レベルに達していると言える。
既に、日本企業も何社か委託生産レベルでは同国に進出しており、我々の知らない間にMade in Bangladeshの靴やハンドバッグを手にしている可能性がある。ただここでも日本企業は、欧米に先んじられており、世界中で販売されている欧米ブランドの高級靴やバッグなども、実際はかなり「バングラデシュ経由」のものがある。この場合、製品の最終工程の直前段階で委託企業の本国に持ち込み、Made in ItalyやMade in Franceと表示されるブランド製品も多い。我々がダッカ郊外の比較的大規模な工場で目にした生産中の皮革製品は、日本人なら誰でも知っている某米国有名ブランドのもので、生産地表示は、Made in Bangladeshであった。現段階では、同社は、扱いアイテムによって複数の生産国(拠点)を使い分けているとのことであるが、今後もバングラデシュ製の同社製品の割合が増えていくであろうと予想していた。
バングラデシュの皮革産業は、繊維加工産業、アパレル産業、さらに既製服生産等と比較しても、原材料(主として牛皮)が国内で調達できることもあり、手作業による労働集約的な要素が大きく、労働人口の大きな同国内で、今後も輸出を中心に拡大して行く可能性の高い産業であると言える。現在、生産量の約95%が輸出されているという統計もある。

バングラデシュから輸出される皮革製品

現状
 現在、皮革なめし産業、ならびに同皮革製品産業一般に対して、バングラデシュ政府は各種輸出奨励優遇措置を行っており、日本の輸入業者に取って追い風であるといえよう。さらに、バングラデシュは特恵関税対象国であり、その中でもLDC(後発開発途上国)に対する特別特恵措置(LDC特恵措置)対象であるため、基本的に同国から日本への皮革製品の輸入には、関税がかからない。しかしながら、親日国であるとは言え、日本人一般には馴染みの薄い回教国であることもあり、むしろ日本側に同国との取引に経験のある企業が多くないことから、これまで比較的に同国からの皮革製品の輸入は少なかった。しかしながら、同国の安い人件費と基本的に真面目な労働者、さらに一般的に手先が器用なこともあり、同国製のアパレル、既製服の日本への輸入が当たり前になってきた現状を考えると、より付加価値の高い皮革製品の取引増加は、ごく自然な流れであると言えよう。加えて、綿花がほとんど産出しないため、原材料を輸入に頼らざるを得ない繊維、アパレルと異なり、同国内でほとんどの原材料(牛を中心とした原皮)が調達できる皮革産業は、(労働集約的な産業であるだけに)輸出するバングラデシュ側、輸入する日本側にとっても、付加価値(端的に言うと儲け)が取り易い商品であるといえよう。
 参考までに、現地の有名ブランドとして、欧州系のBata、ローカルブランドのApex(創業者の配偶者は日本人である)、さらには新興のBayなどが挙げられる。これらは自社工場並びに契約工場を持ち、品質レベルも世界的に見れば平均点である。品質に関する要求水準の高い日本人の目から見るとやや不満が残るが、その値段を見ると納得せざるを得ない。
 今後、日本への輸入を新たにはじめる企業があれば、足の形状が現地の人々や欧米人と異なる日本人向け製品の品質の維持と向上が必要最低条件であろう。品質が完全に安定するまでは、ロット毎に検品を行う必要があり、見かけのコスト以上に管理費その他の追加コストがかかる可能性がある。
 バッグ類については、靴以上に可能性があるかもしれない。ただ、繊維製品同様に日本的な多品種小量生産に慣れていないこともあり、当初はこれを現地の管理者やラインのワーカーレベルにまで理解させるのに時間がかかる可能性が高い。

まとめと問題点
 革のなめし工程、染色工程にはいくつかの方法があるが、いずれの方法を用いるにしても、大量の水と有毒な化学物質を必要とするため、そのまま工場廃水をそのまま排水すると、重大な水質汚染が生じる。日本を含めたいわゆる先進国では、水質汚染のみならず環境汚染一般に対する各種の法的規制が存在し、その規制(とそれに関わるコスト)を逃れるため、生産拠点を移すことも多い。加えて労働集約的な要素が大きいことから、原材料(主として牛皮)の入手が容易かつ安価で、労働賃金も安く法的規制が緩いバングラデシュにこの産業の生産拠点が移って行くことは、ある意味で必然であったとも言える。しかしながら、公害の公然たる輸出は、世界が実質繋がっているグローバルなビジネス市場においてもはや許されることではない。同国政府も首都であるダッカ市内の人口密集地での汚水の垂れ流しをこれ以上見過ごすわけには行かず、郊外の工業団地に大手工場を移す計画が進んでいる。
 今後、日本の企業が独資あるいは合弁で皮革製品生産工場を作るにしても、単に現地委託工場と契約するにしても、例え追加コストはある程度かかっても排水設備は、「社会的コスト」として考慮にいれるべきであろう。

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