バングラデシュ進出支援もさることながら、グローバル化が叫ばれている中で、バングラデシュのみならず、何故多くの日本企業は海外進出、海外投資がこうも下手なのか? と疑問に思います。大企業と中小企業では、体力(資金力)や人材の厚みも異なるため、一概には言えないものの、共通して言えるのは下記のようなファクターでしょう。
予めお断りさせていただきますが、ここで私どもが申し上げたいのは、英語が出来るかどうかというレベルの問題ではありません。
下記のファクターは、あくまでも一般論であり、当てはまらない企業様も多々あることと存じます。
- 0.情報のアンテナが鈍い(そもそもアンテナが立っていない)
- 例:日本政府がODA等を通じて過去いくらバングラデシュに投資し、今後いくら投資する予定か知っていますか?
- 1.入ってきた情報に対する感度(反応)が遅い
- 例:それは何のためか知っていますか?
- 2.意思決定にやたらに時間がかかる(特に大企業)
- 日本の同業者が既にバングラデシュに進出しているか、あるいは進出を検討しているかもしれない。あなたの会社は、どうしますか? いつまでに決めますか?
- 3.一方で、進出を決めても資金計画等が極めて杜撰(特に中小企業)
- 例:フィージビリティスタディって何をどうやるのか? 知っていますか?
- 4.何のためにバングラデシュに進出するのか不明
- 例:何故進出先がバングラデシュなのですか?
極端に言えば、バングラデシュを「世界最低コスト」の工場所在地と見て、世界最低クラスの人件費が目当てのなのか? 同国をマーケットと見て、いわゆるBOPビジネスを展開するつもりなのか? はたまた、(実際に存在するのですが)日本の技術やおもてなしのサービスを根付かせるため、当面は利益度外視なのか? この辺りをはっきりしてからの進出検討開始の方が宜しいかと存じます。
一番避けて欲しいのは、「他社が行くから当社も行く」というパターンです。Chinaプラス1か、Indiaプラス1の候補地として検討するには十分価値のある国ですが、果たして御社の属する業界(産業)に、バングラデシュと言う国、国民性が適合するかどうかは、やはり実地で現地を見てから慎重に判断すべきでしょう。
この辺を理解しないで闇雲に進出しても失敗するでしょうし、検討に時間をかけ過ぎても進出のタイミングを失うでしょう。とは言え、中国勢や韓国勢の動きは非常に早いです。また余り知られていないことですが、バングラデシュを世界の工場として評価し、育ててきたのは、実は欧米の各国です。日本ではユニクロのバングラデシュ進出が有名ですが、欧米勢はそれに先駆けること10年以上前から彼の地で衣料品、皮革品、ジェネリック薬品などを生産し続けてきました。そして、今や彼らは同国をマーケットとして見はじめています。
結論:最新の鮮度の高い現地業界情報を手に入れ、早い意思決定で、かつ慎重に数字を詰めて、バングラデシュ進出の可否を決めるべし。